4月~5月「落ちこぼれの脱出」
状態・問題点
状態1「高校中退・20代フリーター」
私がT君に出会ったのは3月下旬。
T君は20代のフリーターでした。
以前は高校へ通っていたそうですが
- 自分の高校からは
- 偏差値の低い大学しか進めない
と判ったことでやる気を失い、自主退学されたとのことでした。
状態2「就職できない」
退学後は就職活動をされたそうですが
- 長引く不景気と
- 「中卒」という最終学歴のため
なかなか上手くいかなったそうです。
私も戸畑高校を退学になって同じ経験をしたので、とてもよく解りました。
状態3「なるべく学歴の高い大学へ」
T君のご希望は「なるべく学歴の高い大学」でした。
良い就職をするために、受験へカムバックされた学生さんでした。
勉強内容
勉強1「目標は熊本大学」
4月上旬。
基本路線として
- 高校の知識0から9ヶ月で
- 熊本大学へ合格できた方法
を使うことにしました。
理由は以下の3点です。
- 熊本大学までなら「標準レベル問題集」1冊で合格できるので、今年の大学受験に間に合う可能性がある
- 熊本大学は「九州2位・全国約20位」の国立大学なので、T君が希望する「なるべく学歴の高い大学」にかなう
- 熊本大学に失敗しても、地方国立大学へ進学できれば、T君が希望する「なるべく学歴の高い大学」にかなう
| 一般 私立大学 | 偏差値50 国立大学 | 熊本大学 | 東京 理科大学 | 九州大学 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 偏差値 | 45 | 50 | 55 | 58 | 60 |
| 問題集の レベル | 標準 | 標準 | 標準 | 難関 | 難関 |
高校の知識0から9ヶ月で熊大合格できた方法
- 1科目だけ集中的に勉強し「熊本大学を見下ろせる状態」を作る
- 基礎の反復と問題集1冊に絞って「記述力」を伸ばす
- 伸びた「記述力」を「共通テスト」に転用し、共通テストでリードを奪う
- 熊大二次試験は難問を避け、標準・簡単な問題を確実に正解し「防御に徹して」逃げ切る
勉強2「化学による1点突破法」
- 高校の知識0から9ヶ月で
- 熊本大学へ合格できた方法
その第1歩は「1点突破法」です。
- 1科目だけ集中的に勉強し
- 成績アップした1科目を手本に、全科目をアップさせます。
T君には、なるべく早く自信をつけてもらいたかったので
- 暗記系で
- 仕上がりの速い
「化学」を集中的に勉強していただきました。
1点突破法
- 1科目だけ集中的に勉強
- 1科目のアップを手本に、他の科目もアップさせる

変化
変化1「九州大学の過去問を解けた」
5月上旬。
- 化学1科目だけ
- 集中的に勉強した結果
T君は九州大学の過去問を解けるようになりました。
変化2「元気になった、明るくなった」
九大の過去問を解けたので、T君はビックリして笑ってくれました。
- もし下位国立大学へ進めたら物凄く嬉しい
- 熊本大学なんて神の世界
とおっしゃっていたので「九大の問題を解けた」ことは衝撃だったようです。
明るく元気になってくれました。
5月~11月「熊本大学で基礎固め」
状態・問題点
状態1「受験生としてのスイッチが入った」
5月上旬。
化学1科目とはいえ、九大の過去問を解いた(ゴールを見た)ことで
- 自分がどういう学力になれば
- 「できるだけ学歴の高い大学」へ合格できるか
解ったようです。
受験生としてのスイッチが入りました。
状態2「(化学以外)高校の知識0、残り7ヶ月」
しかし、11月30日まで残り7ヶ月しかありません。
12日1日からは
- 国立二次対策(記述解答)を完全に止めて
- 共通テスト対策(マーク解答)を行うので
普通に勉強できるのは11月30日まで。
ここまでに高校3年分を学び、熊本大学の過去問に取り組める状態を作ります。
勉強内容
勉強1「基礎の反復」
5月上旬。
- 英語の「語彙・語法」の反復
- 数学の「基本解法」の反復
など、K君には基礎の反復を行っていただきました。
つい最近まで「高校の知識0」だった人が大学受験をする時、大きな障害となるのは
- 全ての知識が憶えたばかりなので
- 「応用」を利かせにくい事と
- 「憶えた」と言える保証が無い事です。
(入試本番の緊張で頭から消えたりする)
このため、K君には普通の受験生より厚く基礎を反復していただきました。
勉強2「熊大対策で基礎固め」
同じく5月上旬。
熊本大学を目標に「化学以外の科目」も勉強スタートしました。
下図のスケジュール表で日々の学習を管理し

- 学習の継続性
- 5教科の勉強バランス
を重視しました。
変化
変化1「強い疲労の色」
8月。
T君は1度社会を経験しているので、高校生の様に弱音は言いませんでした。
常にシャキっとして平静を装っていましたが、だからこそ、顔全体の疲労は気の毒に映りました。
なんとしても勝たせねばならない、と思いました。
変化2「熊本大学の合格が見えた」
11月。
- 標準レベル問題集をマスターし
- 基礎の反復も身につけたので
その学力を「マーク試験」へ転用し
- 共通テスト70%以上
- 熊本大学A~B判定は
十分ありえる状態になりました。
社会人として「中卒」の学歴で苦しんできただけあり、T君の頑張りは凄いものでした。
12月「なんとか難関大学へ進ませてあげたい」
状態・問題点
状態1「熊本大学が見えてきた」
12月1日。
高校の知識0から約8ヶ月間で、T君は高校3年分の勉強を終えてくれました。
- 記述解答の能力は熊本大学へ通用するレベルなので
- それを共通テスト(マーク解答)へ転用することで
熊本大学A~B判定(得点率70%以上)を狙いにいきます。
状態2「なんとか難関へ通してあげたい」
せっかく熊本大学(上位大学)を目指せる状態なので、あと1段上「難関大学」へ合格させてあげられないかと思いました。
T君は就職が目的の大学受験なので、生涯収入もかなり変わってきます。
| 中卒 | 高卒 | 一般 私立大学 | 偏差値50 国立大学 | 上位大学 | 難関大学 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1.8億円 | 2.0億 | 2.2億 | 2.8億 | 3.4億 | 3.8億 |
勉強内容
勉強1「共通テスト対策」
T君がここまで勉強してきた
- 標準レベル問題集
- 熊本大学二次試験レベルの「記述力」を
共通テスト用の「マーク試験力」へ転用していきました。
T君の点数が少しでも上がるよう、学習スケジュールを組んだり

時間の使い方を考えたり、捨てる問題を計画したり

正解番号の予測をしたりしました。

勉強2「共通テスト利用で東京理科大学へ」
T君は
- 上位大学が限界の
- 標準レベル問題集で仕上げてきたので
基本的に難関大学は目指せません。
しかし、T君は
- ここまで8ヶ月間、物凄く努力してきたし
- 春からハッキリと「生きるために高学歴が欲しい」と表明してきたので
なんとかもう1段上へ、熊本大学(上位大学)より1段抜けて難関大学へ行けないだろうかとデータを調べました。
すると、4大私立の難関・東京理科大学土木学科なら
- 共通テスト利用入試で
- 熊本大学A判定に近い点数で
合格できる事が判りました。
| 東京理科大学 理工学部・土木 | 共通テスト利用 合格ライン |
|---|---|
| 2006 | 76.8% |
| 2007 | 65.1% |
| 2008 | 67.1% |
| 2009 | 67.0% |
| 2010 | 62.1% |
| 2011 | 66.5% |
| 2012 | 70.3% |
| 2013 | 66.8% |
| 2014 | 72.5% |
| 2015 | 73.3% |
| 2016 | 72.1% |
| 2017 | 76.1% |
| 2018 | 75.0% |
| 2019 | 77.8% |
| 2020 | 75.4% |
| 2021 | 73.5% |
変化
変化1「共通テストの結果」
- 675/900点(75.0%)
- 熊本大学A判定
T君がやってくれました。
難関問題集を使ってないので、全ての問題には対応できない状態です。
そういう状況で
- あきらめるべき問題に見切りをつけ
- 自分が解ける問題を確実に正解し
75.0%にまとめ上げたのは見事です。
社会人らしい、スキの無い、大人の受験でした。
東京理科大学 合格
高校の知識0から9ヶ月で難関大学へ
- 東京理科大学 理工学部 合格
就職のために「できるだけ高い学歴」というT君の希望を、T君は極限まで叶えたと思います。
世界が違って見える
受験でたくさんの知識を学んだことにより
「1年前の自分と同じ人間とは思えない」
「世界が違って見える」
とT君はおっしゃいました。
私も8ヶ月間で高校3年分の勉強を1周した時
- 白黒だった世界が
- カラーになった
と感じたので、T君の言葉の意味がよく解りました。
T君には
- 成長したというより
- 生まれ変わった
という表現が適切だと思います。
実に見事な「仕事ぶり」でした。



