高校2年10月「1科目だけ勉強」
状態・問題点
状態1「最初の状態」
A君は私立高校へ通う2年生。
大人しい雰囲気で、優しく礼儀正しい学生さんでした。
当方へお越しになったのは10月。
A君の学力状態は
| 高校の偏差値 | 高校偏差値50のクラス |
| 進研模試 | 偏差値40台前半 |
- 高校1年から成績低下が止まらず
- 高2春から授業が理解できなくなり
- 夏に大きく成績が下がった
とのことでした。
状態2「明日の試験が0点になる」
特にご心配されていたのが
- 明日の定期テストで
- 化学が0点になりそう
という事でした。
試験範囲の学力を確認すると、1番最初のページから
- 問題が解けないというより
- 何を勉強しているのかさえ解らない
との事で、2学期の授業を聞き取れてない状態でした。
追試があるとはいえ、定期テスト0点では留年になってしまいます。
勉強内容
勉強1「化学の緊急授業」
そこで、すぐに化学の授業を行いました。
- 定期テストの範囲に絞り込み
- 難しい事はカットして
- 簡単な事に絞って赤点を回避する
指導を行いました。
翌日の中間考査は40点台後半、留年のピンチを回避できました。
勉強2「化学1科目だけ勉強」
急場を凌いだ後は、化学だけ集中的に指導しました。
- ほとんどの科目が20~40点台であり
- A君も精神的に弱っていたので
まず、苦手の化学を得意にして「やればデキる」ことを確認してもらい
- 自信をつけ
- 元気になってもらおう
という作戦でした。
「苦手科目による1点突破法」といいます。
弱者の勉強法1「1点突破法」

変化
変化1「ピンチ脱出」
期末試験の化学は60点台後半でした。
A君の高校は「化学の難しさ」が特徴なので、60点台後半は好成績です。
残りの科目も成績低下が止まり、上昇気配が見えました。
変化2「明るく前向きになった」
A君が笑ってくれました。
約1年半も成績が下がり続けていたので
- かなり苦しそうで
- 投げやりな雰囲気もありましたが
それらが消えました。
- (ピンチを脱出したとはいえ)
- こんな点数じゃ全然ダメなんで…
と控えめでしたが、表情は明るくスッキリしていました。
高校2年1月「上智大学を目指す」
状態・問題点
状態1「偏差値45以上の大学へ」
- できることなら
- 偏差値45以上の大学へ進んでほしい
というのが、A君のご家族さまのご希望でした。
A君のご家族さまは受験に寛容な方々で
- 学歴よりも、A君の成長が大事
- A君が安心して通える大学
を望んでおられました。
状態2「頑張るキッカケ=目標が欲しい」
A君の課題は
- やる気と
- 家庭学習の継続性
でした。
明るく元気になったとはいえ「やる気がある」と言える程のモチベーションはありません。
A君のやる気を引き出し、家庭学習を継続してもらうためには
- A君が感激して
- 夢を持てるような
「高い目標」が欲しいところでした。
勉強内容
勉強1「上智大学へ挑戦」
そこで、思い切って3大私立の「上智大学」を目指すことにしました。
上智大学は、A君の高校から推薦で進める大学の中で最高ランクの大学でした。
| 難関私立 | 早稲田・慶応・上智 |
| 上位私立 | 明治大学・同志社大学など |
推薦を選んだ理由は「勉強の継続性」のためです。
1発勝負の大学受験と異なり
- 推薦合格には
- 常に良い成績が必要
なので、A君の「継続的な学習」に良い効果があると判断しました。
勉強2「上智推薦の条件」
A君は
- 高校2年の秋まで
- 学年下位の成績だったので
上智推薦を獲得するには「高2冬~高3夏」の成績をかなり上げねばなりません。
その条件を計算したところ、以下の様になりました。
| 高2の評定 | 条件 |
|---|---|
| 化学 | 学年末試験で50点以上取り 「評定4」を確保する |
| 物理 | 学年末試験で80点以上取り 「評定4」へ上げる |
| 宿題 | 提出物を完璧に提出する |
| 全体 | 2~3になりかけている 高校2年の評定を 3学期の成績だけで 3~4へ上げる |
| 高3の評定 | 条件 |
|---|---|
| 物理・化学 | 評定5が必須 |
| 全体 | オール5に近い成績が必要 |
| 英検 | 2級の合格 できるだけ「A合格」 |
勉強3「熊大対策で基礎固め」
日常の学習は「熊本大学」レベルで行いました。
上智推薦を目指して「継続的な勉強」を続けてもらい
- 最終的に熊本大学へ着地させる
- A君のやる気があれば九州大学を目指す
という計画でした。
この時点で、A君の模試の成績は
- 進研模試
- 偏差値35~45
でしたが
- 高校の授業は
- 九州工業大学~東京大学レベル
で行われるため
- 九州2位・熊本大学で
- A君と学校の橋渡し
をしました。
そして、定期テスト前に九州大学レベルへ仕上げました。
変化
変化1「目の下が真っ黒」
A君は元々、目の下に薄いクマのある学生さんでしたが、歌舞伎役者の様に真っ黒になりました。
人の見てない所で、相当の「陰の努力」をされた事は明らかでした。
A君は
- 努力・疲労・ツラさを表に出さず
- 高得点を取っても、失点を反省する
人なので、陰の努力に応えねばならないと思いました。
気がつけば、A君も私も
- 「手段」としての上智大学が
- 本当の目標へ
変わっていました。
変化2「地理の評定が4になった」
A君がやってくれました。
私は「地理は評定3で構いません」と指示していたのですが
- A君が独自に
- 学年末試験で高得点を取って
評定4へ上げてくれました。
変化3「2年生の評定が整った」
30点台だった物理が一気に80点台へ上がり、評定4を確保。
残りの科目も2年生の評定を「3~4」で整え、上智推薦の可能性を3年生に持ち越すことができました。
高校3年春「上智対策」
状態・問題点
状態1「上智推薦の条件」
「2~3」になりそうだった高校2年の評定を、3学期の頑張りで「3~4」にできました。
勝負の高3春、上智推薦の条件は以下の通りです。
| 高3の評定 | 条件 |
|---|---|
| 物理・化学 | 評定5が必須 |
| 全体 | 評定4~5で できるだけオール5に近づける |
| 英検 | 2級の合格 |
状態2「英検2級不合格」
遡って新年1月。
A君は独自に英検2級を受験してくれていました。
結果は不合格だったのですが、その答案を見せていただいたところ
- 英作文は合格レベルだが
- 残り3つ(英文法・英長文・リスニング)がほぼ1問も解けてない
と判りました。
状態3「英検2級と中間考査の同時受験」
- オール5に近い成績を目指す「中間考査」
- 英作文以外ほぼ1問も解けなかった「英検2級」
上記2つの試験日が
- 2ヶ月後の
- 5月末で
ほぼ重なっていました。
両者を並行して対策する必要がありました。
勉強内容
勉強1「英検2級対策」
物理・化学は高校2年時に「勉強のやり方」をお伝えしてあるので、今回は英検2級を最優先しました。
- 英文法
- 英長文
- リスニング
の3項目がほぼ1問も解けない状態、試験は2ヶ月後。
勉強の優先順位を以下の様に割り振りました。
| 優先順 | 項目 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | リスニング | 訓練のやり方さえ伝えれば それ1つで全問に対応できるから |
| 2 | 英長文 | A君が元々持っている読解力を 伸ばすだけで高得点できるから |
| 3 | 英文法 | 高校の方針で 英文法をほとんど勉強してないため 2ヶ月後の戦力としては厳しいから |
勉強2「物理と化学を『同時に』80点以上へ」
物理と化学の授業を半々で行いました。
労力を二分しながら高得点をキープするという事で、ここが上智挑戦の山場でした。
- 数学の評定を4に落として構わないから
- 物理・化学(評定5必須)に全力を回しなさい
と指示しました。
勉強3「残りの科目も評定4~5へ」
物理・化学・英検2級以外の科目は
- 評定4でも許せる科目
- 評定5にこだわる科目
の打ち合わせを行い、勉強はA君が主体で頑張ってくれました。
この時点で
- A君は「やる気」が強く
- かなり頼れる状態
に成長していたので、安心して任せることができました。
変化
変化1「英検2級・A合格」
なんと英検2級「A合格」してくれました。
- 「筆記試験」の合格が決まった後
- 「面接試験」のシミュレーションをさせていただき
面接も合格してくれました。
変化2「学年5位」
そして、なんと1学期の成績(中間+期末)が
- 特進クラス(東大6名合格)を抜いて
- 普通科から唯一の「学年トップ5」へ
飛躍してくれました。
7ヶ月前「明日の定期テストが0点になる」と言って来られたA君と、同一人物とは思えませんでした。
変化3「上智推薦の条件クリア」
A君はやり遂げました。
成功確率は1%も無かったと思います。
担任の先生から
- 先生から(上智推薦への挑戦を)止める事はしませんが
- 早く失敗した方が良いと思います
(早く失敗して大学受験に切り替えよ、という意味)
と言われたほどの挑戦だったのです。
上智大学 合格
職員会議は紛糾
A君の事で職員会議が終わらず、推薦決定の発表が予定日より遅れました。
最大級の逆転
A君の高校の重鎮の先生が
- 私も長くこの学校に居るが
- こんな大きな逆転は見たことがない
という内容のお話をしてくださったそうです。
後継者としての自覚
7ヶ月前
- 家業を継ぐことだけは『絶対に』しません
- 家業は父の代で終わりです
と強く言い切っていたA君ですが、色々と悟るところがあったようです。
- 僕は理系ですが
- 大学に入ったら経済学も学びたい
と話してくれました。
文系の読書
- 私が箱崎キャンパスで教授から最初に習ったことは
- 「理系の学生だからこそ、文系の読書をしなさい」という事です
とお伝えすると、A君は翌週から政治・歴史・哲学などの読書をされるようになりました。
見事な成長でした。



